All lyrics are written by Keita ISHIMARU

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ジンジャーハイ

 

背中合わせ少し寒い公園のベンチ 深くフード被って歩き去って歩き去っていく姿

動けず座った僕の目に焼き付いてしまって

傷つけぬ優しさで磨き上げたナイフ 喉元突きつけられ冷たく首をなでた

流れる血液が恐ろしく温かい

 

広い原っぱで見ていたものは シャボン玉のようにパチンと弾け消えていく

 

泣いてる君の声 手の平の柔らかい温度

離れてく 薄れてく その前に聞かせてよ

きっとまたここで 宙に舞い消えていく言葉

お願いよ 芽を出して 勿忘草

 

金曜オレンジの中キラキラ光る秘密 いつもと同じ席 傾ける冷えたグラス

別々の毛布の中少しは笑えてたかな

夕方公園のチャイム 耳鳴りを呼んできて さよならバイバイの温度 もう会えないの

冷蔵庫にしまった心 いつか見つかるかな

 

一人口にしたジンジャーハイの数え切れない泡が僕の中で弾け消えていく

 

大事なガラス玉 もっと大切にしたくって

引き寄せて 抱き寄せたら そのまま壊れていくの

本当は分かってた それがシャボン玉だったこと

手を伸ばし 触れるだけで なくなること

 

僕らがあの日見た マボロシの世界

君は今も そこで生きてますか

 

発車ベルが鳴り 走り出す未来行きのレール

遠い街 約束のアカシアの花束を

きっとまたここで 空っぽの二人同士で

傾けよう 金色のストーリーを


Dr. Mutant

 

 秋が逃げた後の夕暮れの中 落ちるオレンジ色の玉

中央公園の子供たち 追われるように駆けていく

 

帰り道幽霊の交差点で 声が聞こえた気がするの

 

真夜中二時の小さなベンチ 目を潤ませた少女は

おぼろげな月をみて呟いた あなた大人になったんだねと

 

全部全部胸を掻き毟る 走り去ったウサギのように

 

さよならばかりの道の上 今日も彼は一人夜を歩く

見つけたもの全部抱き寄せて 握りつぶしてしまうの

 

深夜零時の遠い広場で心を包んだ言葉

自分のもとに寄せようとして そのまま壊れ消えていく

 

嘘を嘘でかためて築いた城で 見上げたグレーの空に

不幸だと切り捨てられた 小さな幸せの涙が落ちて消える

 

ごめんね、ばかりの道の上自分でさえも他人なんだと

勘違いして食いつぶした たった一人自分のこと

 

愛を知らないミュータント今日も一人で夜をさまよう

自分を守る嘘でまた自分自身を壊しながら

 

加減を知らないミュータントまた一つ大切なものなくし

叫んだ声がこだまする 一人きりの実験室に

 

帰り道 ひとりきり 遠い広場 あなたの声


飴玉の魔法

 

右側のポケットに君が残した記憶

微笑んで飴を舐めた透明な僕

空はもうすぐ雪を降らすけれど

白いコート残る香りあなたの影

 

窓の外飛んでいく淡い街の 明かりの一つ一つに込められた

物語が「また明日ね」と言った声に 色を塗られ鮮やかに

 

昨日まで僕の知らなかった色が 浮ついた街に降りた雪の奇跡

足りない想いを白く埋めるように 散らついた六つの花と一つの傘

 

この雪じゃ積もらないねと呟いた横顔 少し長い睫毛に光る水玉

君のその白い肌に僕は触れないの その前の冬から僕は透明だから

 

あの日君がポケットに忍ばせた魔法は 永遠に光ることはないけど

「また明日ね」と言った声は 雪と共に溶けてしまったの

 

僕をすり抜けて地面濡らす雪が 街の明かりを乱反射して

君の涙の粒輝かせたから もう行かなきゃ

もうさよならなの